2002.12.26

この3ヵ月ビデオもいろいろ見たけど、イマイチはまるのがなかった。

楽しみにしていた「パニックルーム」は、物語を面白くするための設定(秘密の部屋とか、電話線とか、糖尿病とか閉所恐怖症とか)があまりにも意図的に並んでいる感じで、それ以上の凄い展開になっていない。かえって設定が多すぎる分、未消化感があるような気がする。

「ブラックホークダウン」は、これだけの巨大プロジェクトを立て続けに監督するリドリー・スコットのパワーにまず感心する。
ソマリアの部族戦争の火に、飢餓と大国から溢れ出た兵器が油を注いで、大虐殺が起きている。
この事態を収拾するために国連平和維持部隊のアメリカ軍は、最強部族アイディード将軍派の幹部を拉致しようとするが、軍用ヘリ「ブラックホーク」の墜落から、迷路のような街の中で散り散りになり、アイディード派民兵、市民を巻き込んだ泥沼の市街戦に陥る。
必死で取り残された仲間を救出しようとするアメリカ兵と、襲ってきては虫けらのように死んで行くソマリア人民兵、結果ソマリア人1000人以上、アメリカ人19人が死亡したとある。命の重さの差に驚愕する。


2002.12.10

ありゃりゃ、もう12月じゃないの!
3ヵ月以上もここをほったらかしにしていたのであった。
やっと完成した「M4シャーマン海兵隊仕様」をUPしました。

NECのノートパソコンを買った、MACしか使った事のない私には始めてのWINDOWSはまるで別世界のツールなのだ!、いろいろなヘルプ機能がついているのに、それを読んでも謎が謎を呼ぶって感じで、ちっとも理解できない、みんな良くこんなに難しいもの使ってるなぁと思う。たぶんWINからMACに来た人も同じように思うんだろうな。

ノートパソコンを買った目的は、昔の旅行のビデオをDVDに焼いてみたいと思ったのがきっかけなんだけど、デスクトップのパソコンを置く場所がなかったのと、移動していろんな場所で使うかなーと思ってノートパソコンを買うのが当然と思ったのだ。

しかし、DVD+Rドライブ・外付けハードディスク・ビデオキャプチャユニット、さらにCDやDVDの盤面に印刷できる機能の付いたプリンターや無線ルータまで買いそろえたところで、「ノートパソコンでない方が良かったかな?」と思い始めた、こんなに周辺機器が繋がっていたら移動なんてしないよなぁ。

かくして、ビデオをDVDに焼く夢はかなったのだが、DVD+Rとソフトの互換性の問題か?音ずれが起こってしまって、現在中断中。それに、買いそろえた周辺機器の管理や活用が自己目的化してしまって、膨大な時間が消費されて行く、まるで機械を使う為に生きているみたいジャン。そんな3ヵ月だったのだ。これからどうしよう????


2002.8.27

夏風邪をひいて大量の鼻水、なおって来ても何にもやる気にならなくて視聴者の毎日。3日で6本DVD見たり、Amazonで頼んでいたCDが大量に届いて目も耳も身体も疲れ果てた感じ。

DVDで、「トレーニング・デイ」「シッピング・ニュース」「オーシャンズ11」「D-TOX」「マルホランド・ドライブ」「エネミー・ライン」などを見た。

「トレーニング・デイ」と「オーシャンズ11」は有名俳優達が良い脚本を得て安定感のある映画になっている。

「D-TOX」と「エネミー・ライン」は映像とかは別にして、物語の展開が古臭くて嫌い。

「シッピング・ニュース」はとんでもない不思議な話なのに、さり気ない、押付けがましくない雰囲気になっていて、それでいて強烈な印象が残る、凄い映画。

「マルホランド・ドライブ」も凄い、鍵をあけるシーンを境に夢と現実が切り替わる構成で、シュールでロマンチックな夢の物語と、その元になった悲しい現実の対比が胸を打つ。
今回、種明かし的な現実部分がある事で、「ツインピークス」や「ブルーベルベット」の頃からの一見脈絡のない物語の展開も、デビット・リンチがさまざまな考えを巡らせて作り上げていたものだとわからせる。
劇中劇的なオーディションの場面、夢と現実で微妙に変えてあるメイク、セット、映像の雰囲気など、映画技術のギミックも盛り沢山で、デビッド・リンチ映画の集大成という感じ。


昨日の「濱マイク/ミスターニッポン」はおもしろかったなぁ。


2002.8.2

GRAPHIC MEMO2
(現在このページはありません)を新作に入れ替え。Macromedia Flash を使って始めての作品、Flashを使ったサイトを色々見て回ったけど、みんな洗練されたデザインで凄いです!。私が作るとソフトが変わっても結局マンガになるのがちょっと悲しい。

「ヴィドック」も「フロム・ヘル」も面白かった。19世紀末ヨーロッパの混沌とした雰囲気と、現代文明以前の社会環境が、何でも有りの映画の良い舞台になっている。

「アメリ」も見た、監督のジャン・ミッシェル・ジュネは「ロストチルドレン」や「エイリアン4」など強烈な映像とダークな童話のような物語で知られているが、本作はジヤック・タチばりの庶民的な幸福感のある世界を描いている。
それでも、強烈な色彩や逆光を多用した映像、端役の人にまでこだわった面白顔博覧会的なキャスティング、あふれんばかりの小道具やインテリアに対するこだわりの濃さは健在で、動く絵本のような印象的な映画だった。パリっ子はこの映画を見て自分の住んでいる街の美しさを再確認したんだろうなぁ。

「ヴィドック」の監督、ピトフはジャン・ミッシェル・ジュネの友人で「ロストチルドレン」や「エイリアン4」では特撮担当をしていた人、この人も次回作が楽しみ。

「スターウォーズ」意外のSF映画が今一つパッとしないおかげで、SFX制作会社が生き残りの為の新たな鉱脈を捜している感じ、19世紀末の世界や、現実の戦争、天国と地獄、スパゲティーの湯気、映像全体の色変換など、見せ物的な技術だった物が、どんどんこなれて行ってさり気ない所に使われるようになっているようで面白い、逆に、映像や写真の「現実感」と「現実」の差はどんどん開いて行く感じ、ちょっと恐い気もする。


2002.6.8

HOBBY GALLERYに新作を追加。

ビデオで良かったのは「メメント」。衝撃的な事件を境に10分程の記憶しか持てなくなった男の話。彼はどこかのモーテルで目覚めて、体中に入れた入れ墨の文とポラロイド写真・メモ類をたよりに自分が妻のかたきを捜している事を知る、そして友人のフリをしてやって来た男を殺す。映画はここから彼の忘れてしまった記憶を10
分刻みにさかのぼって行く。次の10分が前の10分の謎ときになっていたり、全体のヒントになっていたりで、目が離せない。見ている間に時間が進んでいるのか戻っているのか混乱して来る。
DVDには、この映画を普通の時間軸にそって再生する特典機能がついているそうなので、見てみたい。

WOWOWでやった「Grasshoppa!」も面白かった。ぶっとい物語はなくても、今の都会の若者の雰囲気が目一杯詰め込まれていて楽しい。

伊丹十三の「たんぽぽ」も久しぶりにテレビで見た。伊丹監督の映画ではこれが一番好き、中でも貧乏家族のお母さんが死際にチャーハンを作る話はやり過ぎのおかしさと、余りの悲惨さでわずか10
分程のエピソードで笑いと涙がこみ上げる、見るたびに凄い映画だと思う。


2002.4.21

CG GALLERY2に新作を追加。

ビデオで「ソードフィッシュ」を見た。
いきなり冒頭から「今のアメリカ映画の問題はリアル感の欠如だ」と主役に言わせてみたり、クライマックスの一部を最初に持って来たりで、巧妙なツカミ。
その後も謎の犯罪者のヒントを折り込んだ複雑なエピソードを、
パズルのように組み合わせているが、うまい事エンディングに収束して行く巧みな構成がすごい。しかし、最初の映画の話で引き合いに出した「狼達の午後」より、リアル感と言う事で言えばこの映画の方がずっとマンガっぽい。

「ブリジットジョーンズの日記」をビデオで見た。
原作はイギリスの日刊紙に連載され社会現象化した架空の女性の日記形式の小説とのこと、主演の レニー・ゼルウィガーは最近売れっ子のハリウッド女優、イギリス人女性になりきる為に大変な訓練をしたそうだ。その甲斐あって冒頭の実家でのパーティシーンでは、特徴のあるイギリス人っぽい動作を形態模写している感じですごくおかしい。
ストーリーは日本の連ドラでも、何度も使われているようなものだし、明日にでも全く同じ設定で日本でドラマ化できそうなものだけど、この映画の魅力はイギリス人のディティールだと思う。
「Mr.Been」や「ノッティングヒルの恋人」、「SNATCH」なんかも程度の差はあるけど、イギリス人の独特の話し方や動作や生活感を誇張していておもしろい、イギリス人の独特さは、アメリカ映画のSFXに匹敵するイギリス映画の売り物の一つだと思う。


2002.4.4

HOBBY GALLERYに新作を追加。

「スコア」をDVDで見た。
ロバート・デ・ニーロ、エドワート・ノートン、マーロン・ブランド主演の金庫やぶりの話。設定も筋も笑っちゃう程オーソドックスな映画だけど、それだけに、出演者の台詞や演技が際立っている。必要最低限の台詞が、切れ者の悪人達のギリギリの間合いのようなものを感じさせる。
舞台になっているモントリオールの風景や、フランス語、ジャズがヨーロッパ的な大人っぽい雰囲気を出している。

「トゥーム・レイダー」をビデオで見た。
アドベンチャーゲームの映画化。主役のララ・クロフト乱暴者過ぎ!、強烈なキャラを演じるアンジェリーナ・ジョリーはまりすぎ!目から光線出しそう。変にリアルにしないことで、カッコイイ映画になっている。


2002.3.24

例年と同じで2月3月は忙しい、久々にヘトヘト。

「あの頃ペニーレインと」をビデオで見た。
キャメロン・クロウ監督の実体験。彼が15歳の時、文才を認められローリングストーン誌の依頼でツァーに同行取材した売出し中のロックバンド「スティル・ウォーター」との出来事や、バンドのグルーピーの美少女「ペニーレイン」との初恋、音楽好きの少年の目を通して、70年代のアメリカが生き生きと描かれている。
監督の観察眼と、見た事を好意的に表現する姿勢が15才の時から変わっていないのだろう。アナログな雰囲気、効果的な音楽、全体のコメディータッチがうまいこと混ざり合わさっていて、不思議な人肌感があって楽しい映画だった。

「A.I.」をビデオで見た。
キューブリックの死後、スピルバーグが企画を引き継いで完成させた映画、と聞いていたので、見ている間中、キューブリックならどう撮っただろう、と考えてしまう。
大体キューブリックも映画化権を買ってから25年もかけてどこまで進んでたんだろう?水没したニューヨークのCGのプレゼンをI.L.Mに依頼していたという話もあるし、作られなかった映画のイメージは、僕
の頭の中で無限に膨らんで行ってしまう訳で、もしかするとキューブリックも25年間頭の中でこんな作業をしてたのかも知れないですね。
スピルバーグ作の「A.I.」は、それでもけっこう凄い映画だった。
最初は奴隷・売春婦・愛玩物としてつくり出されたロボットが人間そっくりになるにつれ、その完璧な機能に嫉妬し、魂を持たないことを嘲り、処刑を見せ物にして楽しむ人間達。そして2000年後、人間が滅んだあとも、進化したロボット達は、創造主として人間を尊び、自分達の存在理由を見つけだす為に、人間の研究をしている。こんな、神話のような物語を、始めて母親への愛という「心」を持たせて製造された少年型ロボットの冒険を通して描いている。
「マッチ売りの少女」の最後のマッチの幻想みたいなラストがつらい。「オスメント君、可哀想!」ってだけの感想の映画になってしまったような気がする。


2002.3.11

LINKページの模型LINKに「panky'sroom」を追加。グラフィックLINKに「Renderosity」「deziconUSA」を追加。

ビデオで「FINAL FANTASY」を鑑賞、内容が良くわからなかったので、2枚組のDVDを買って研究。興業的には大失敗をして、会社を傾かせる程の大打撃を負った映画だが、映像的にはすばらしい出来だと思う。

戦闘シーンや破壊シーンの凄さは目を見張り物があるし、CGで作られた俳優の演技も精密で、繰り返し見るたびに、微妙な表情に驚かされる。しかし、逆に爆発的な感情を表現していない所が、この映画の初見の印象を中途半端なものにしてしまっている気がする。登場人物の狂気、怒り、悲しみ、喜びが、全て寸止め状態で解放されていないのは、観客としてはつらいものがある。

この映画のテーマは「魂」や「精神」だが、魂を持っていないCG製の俳優達に演技をさせるという挑戦の中で、当然持ち上がって来るテーマとして納得のできるものだと思う。しかしSF映画の物語の核として使うには、少し無理があるような気がする。最後まで説明不可能なものとして、置きっぱなしになっているように見えるし、そのためにクライマックスで破綻が起きて作者側の勝手な展開になってるような印象を受けるのだ。それは登場人物の台詞にも出ていて、シド博士は「これは異端の考えだ。」「理解する必要は無い。」と言っているし、グレイは「全くわからない。」「今は信じている。」と言っている。だから、このへんは制作者も良くわかっていて、考えずに感じてくれと言う事なのだろう。

しかしこれは、最近の日本映画が良く使う手で、ガメラやゴジラが一度死んでも、生命エネルギーを吸収して蘇り、クライマックスはバリバリのオプチカル合成で盛り上げましたって感じの安易な展開と同じに見えてしまう可能性がある(せっかく物凄いCGを作ってるのに)。

本来なら、この説明不可能な部分が、公開後にネットなどで盛り上がって、ファン達が自分で解決して行くのが最近の流行だったけど、興行的な不振のニュースが先行してしまったこと、マニアックなファンを引き付ける要素が少なかった事などが、公開後の不幸な展開の理由だろうか?。

しかし、「2001年宇宙の旅」の例もあるし、いつか観客がこの映画に追い付いて、この映画を本当に理解する時がくるのかも知れない、とも思う訳で・・・本当はこの映画、僕は大好きです!。


2002.2.5

HOBBY GALLERYに新作をアップ。

DVDで「アメリカンサイコ」、ビデオで「すべての美しい馬」を見た。
「アメリカンサイコ」は原作が不買運動を起こされた問題作。「すべての美しい馬」は原作が全米図書賞、米国書評家連盟賞を受賞した名作。
「アメリカンサイコ」は主人公が負の方を向いて崩壊して行くのに対して、「すべての美しい馬」の主人公はポジティブに成長して行くお話。
原作と映画とは別物なのだろうけど、「アメリカンサイコ」の方が映画としては良く出来ているように思った。不快感のあるひどい話だけど、社会風刺になっていて、狐につままれたようなラストも面白い。「すべての美しい馬」はまっとうな冒険談
で撮影も美しいのに不思議と残るものが無いのだ。

最近映画の感想文を書くのに2つの映画を比較するずるい方法をおぼえてしまった。こうすると何も感じるものが無くても感想が書けるのだ。えへへ。


2002.1.14

最近若者言葉で気になるのは、ちょっと難しい事を話す前に「なんてゆうか」と言う言葉をはさむ事、あと語尾が「って感じで・・・」で終わる事、あとの方はもう自分にも伝染したので気にならなくなり始めている。

「Chemical Brothers」の「Star Guitar」のミュージックビデオが凄い、電車の車窓から見た景色がえんえんと流れるているんだけど、同じ小屋や同じ橋が並んでいる事に気付く、この小屋や橋はこの曲のリズムや繰り返しにピッタリと連動していて、曲の構造を視覚化したものである事がわかる。それが何の継ぎ目も無い景色の中に巧妙に合成されているのだ!。どうやって作ったんだろう?。

ビデオで「ハムナプトラ 2 黄金のピラミッド」「PLANET OF THE APES/猿の惑星」「トラフィック」などを見た。
「ハムナプトラ 2 」と「PLANET OF THE APES」は良くも悪くもマンガっぽい、最近の特撮映画はCGの進歩とゲームやマンガの影響もあって、とんでもなく突飛な展開や、見せ場を作る事が可能になった。しかしそれによって失ってしまうものも多いように思う。

目的もジャンルも全く違うので比べるべくもないけど、「トラフィック」は全く逆の手法で作られた映画、登場人物は誇張されたキャラクターでは無く、みなそれぞれに複雑な人格を持っている事を感じさせる、画質もビデオカメラのような荒々しい物で、現実世界との結びつきを持とうとしているように見える。人は複雑な感情を持っていて、複雑な人間関係や環境の中で、必死に生きている。と言う事を感じさせる映画だった。

HOBBY GALLERYに新作をアップ。


2002.1.1

2002年がやって来た。


去年は病気をしたり、引っ越ししたり、戦争があったり、自分が何となく普通だと思っていたものが崩れ去ったりで、おのれのボンヤリ具合を知らされた年だった。

人と話してたり、テレビを見てて、突然ドッと涙があふれて来るような事も経験して、皮肉屋で厭世家の自分は変わって行くのかな?なんて考えたりして・・・変わらないか?

HOBBY GALLERYに新作をアップ、CG GALLERYに新作をアップ。