タミヤ社の ドイツ対戦車自走砲マーダーIII(7.62cm PAC36搭載型)。GERMAN TANK DESTROYER Sd.Kfz 139 7.62cm PAK(r) auf Gw.38(t)。
1941年、ドイツ軍は、ソビエト軍のT34などの新鋭戦車に対抗するべく新型戦車の開発、7.5cm対戦車砲の増産とともに、そのつなぎとして、併合したチェコ製の38(t)戦車の車体に、大量に捕獲したソビエト製7.62cm対戦車砲を改造したものを搭載した対戦車自走砲マーダーIIIを企画しました。1942年4月から11月までに344両、翌年11月までにさらに19両が生産され各戦線に配備され、見事につなぎ役を果たしました。(キット説明書より)。
キットについて。タミヤには珍しく、車体下部が、底面に側面を接着する箱組式になっています。問題なく組み上がりますし、これで実車の再現度が増しているのでしょう。この頃発売のものから、排気管の先端の穴が立体金型で開口されています。ある程度分割状態で塗装できるようにポリキャップを使用していたり、繊細な表現と組み立てやすさの両立を目指したすばらしいキットだと思います。ただ、キャタピラは軟質樹脂のベルト式なためか、歯の部分の彫刻が省かれているようです。ここは意外に目立つところなので他の部分と比べて、やや素っ気ない感じです。
制作は、このキットの箱絵やフィギュアの元ネタらしき写真をネットで見つけたので、車体の隙間に押し込まれたシート類、バケツ、椅子の背に付けられたバッグなどの車載物などを、その写真に近づける感じで制作しました。
剥げかけの冬期迷彩はパステルの白を粉状にしてタミヤのアクリル用シンナーでシャブシャブに解き、塗り付けては洗い流す、スミ入れを白でやる感じで行いました。定着しないと困るので、木工用ボンドをほんの1滴ほど混ぜたのですが、シンナーと塗料が分離してしまって、乾いたらなんかオーバースケールな表現になってしまいました。アクリル塗料の白を使えば良かったかな?。
フィギュアはドラゴン社の「ドイツ軍兵士 "戦闘準備" 1940-41」の中の2体、服を着かけている姿など微妙な姿勢をうまく表現したすばらしいキットです。
2011.7.11UP